福岡の家づくりの知識
福岡で注文住宅を建てるときは台風に強い家を建てよう
2024/02/20
福岡県は台風の影響を受けやすく、住宅に被害が及ぶことが多い地域です。そのため、注文住宅を建てる際には台風に強い家を建てることが重要です。台風による強風や大雨に対応するためには、適切な構造設計や材料の選定が必要です。こちらでは、福岡県で注文住宅を建てる際のポイントや台風に強い家の特徴について詳しく解説します。
台風が原因で起こる住宅への被害
福岡県は九州地方に位置し、その地理的な条件から台風の影響を受けやすい地域です。台風が原因で発生する住宅への被害は、福岡県でも深刻な問題となっています。ここでは、福岡県で起こりやすい住宅への台風被害について詳しく見ていきます。
◇強風による屋根の被害
台風による強風は、建物の屋根に大きな被害をもたらす可能性があります。特に高層建築や開けた地形では、風の影響がより強くなります。以下で屋根の被害について解説します。
瓦や瓦屋根の飛散・吹き飛び
強風によって、瓦が吹き飛ばされたり、瓦屋根自体が破損したりすることがあります。特に、古い瓦屋根や取り付けが不十分な場合には、被害が大きくなりやすいです。
葺き替え部分の浮き上がり
台風などの強風によって、屋根の葺き替え部分が浮き上がり、雨漏りの原因となることがあります。特に、屋根の老朽化やメンテナンス不足がある場合には、被害が生じやすくなります。
屋根材の損傷
強風によって、屋根材が擦り切れたり、破損したりすることがあります。金属屋根やアスファルト屋根など、屋根材の種類によっては、耐久性が低いものもあります。
雨樋の破損
強風によって、雨樋が破損したり曲がったりすることがあります。これによって、雨水の流れが阻害され、建物周辺の水害や浸水のリスクが高まります。
シート屋根の破れ
シート屋根は強風に弱く、風圧によって破れや穴が開くことがあります。これによって雨漏りのリスクが高まります。
◇大雨による浸水被害
台風による大雨は、住宅に深刻な浸水被害をもたらす可能性があります。大雨による浸水被害について、福岡県の地形の特徴と合わせて解説します。
地形と排水システム
福岡県は平野部が多く、排水施設の整備状況や地形の傾斜によって浸水被害の程度が変わります。都市部ではビルや舗装が多いため、雨水の浸透が阻害され、急激な雨量増加時には浸水被害が生じやすくなります。
雨量と土壌状態
大雨が短時間で集中すると、土壌が浸水しやすくなります。福岡県の一部地域では、地盤が浸透性が低く、雨水がすぐに排水されないことがあります。また、地下水位が高い地域では、雨水が地下水と合流しやすくなり、浸水被害が拡大する可能性があります。
河川の増水
大雨によって河川が増水し、氾濫することで住宅が浸水するケースもあります。特に河川沿いや低地に位置する住宅は、氾濫リスクが高くなります。福岡県では、周辺の山岳部からの急激な雨水の流入によって河川が増水し、浸水被害が発生することがあります。
建物の耐水性
住宅の建築規制や耐水性の確保が不十分な場合、大雨による浸水被害が深刻化します。特に古い建物や地下室のある建物は、浸水被害のリスクが高いです。最近では、防水工事や浸水対策が施された住宅が増えていますが、依然として改善の余地があります。
台風に強い家とは?注文住宅を建てる上でのポイント
画像出典先:フォトAC
福岡県での注文住宅建築において、台風の影響を考慮することは重要です。台風に強い家を建てるためには、どのようなポイントに注意すれば良いのでしょうか。ここでは、注文住宅を建てる際のポイントと台風に強い家の特徴について解説します。
◇鉄筋コンクリート製が台風に強い?
鉄筋コンクリートは地震にも強い素材として知られています。そのため、地震の多い日本では多く採用されていますが、同時に台風にも強いとされています。
鉄筋コンクリート製の家が台風に強い理由は、その構造と材料の特性によるものです。鉄筋コンクリート製の家は、コンクリートと鉄筋の組み合わせにより、非常に強固な構造を持っています。これにより、強風や衝撃に対して耐久性が高く、台風などの自然災害にも強い建物となります。
また、コンクリートは防水性が高く、雨水の侵入を防ぐことができます。台風の際に大量の雨水が家にかかることがあるため、防水性は重要な要素です。さらに、鉄筋コンクリート製の家は比較的重いため、風圧などの外部からの力に対して安定性が高まります。
鉄筋コンクリート製の住宅は台風に強いですが、木造の家でも、適切な構造設計によって強度を高めることができます。以下で台風に強い木造住宅を建てるポイントについて解説します。
木造の家でも、風圧に対応できるような耐風性を高めるためには、風の抵抗を減らすデザインや、適切な固定方法を採用することが重要です。また、木造の家は経年劣化や虫害などが起こりやすいため、定期的なメンテナンスが必要です。特に屋根や外壁の点検・補修は台風対策として重要です。
さらに、木材の種類や塗装、防水処理などによって耐久性を高めることができます。耐久性のある木材や塗料を使用することで、台風などの自然災害にも強い家を建てることが可能です。
◇屋根の形状も重要
屋根の構造や材質は、台風などの自然災害に対する建物の耐久性や安全性に直接影響します。
屋根の構造は、その建物が台風に耐えるかどうかに大きく影響します。例えば、傾斜の急な屋根よりも緩やかな屋根の方が風の影響を受けにくいです。急傾斜の屋根は風が当たる面積が大きくなり、風の力を受けやすい傾向があります。
屋根の形状も重要です。例えば、台風の強風に対して最も強いとされるのは、円形または球形の屋根です。これらの形状は風を分散させるため、風圧を低減する効果があります。逆に、平らな屋根や棟の直線的な屋根は風の抵抗が大きくなり、台風の影響を受けやすいです。
屋根材は耐風性に優れており、軽量で耐久性がある材料を選ぶことが重要です。例えば、金属屋根や瓦屋根は風に対する強度が高く、比較的安定しています。一方で、スレートやアスファルトシングルなどの軽量な屋根材は、風に対する耐性が低い場合があります。
最後に、屋根材をしっかりと固定し、補強することも重要です。特に金属屋根の場合、風が強く当たる地域では、適切な固定具や補強材を使用して屋根をしっかりと固定する必要があります。また、屋根の強度を高めるために、屋根の構造体や下地の補強も検討されるべきです。
台風に強い住宅にはどんな事前対策がされている?
先ほど台風の被害について挙げましたが、被害に対してどのような対策をすれば良いのでしょうか。ここでは、被害対策について参考例を紹介します。
◇飛ばされにくい屋根への対策
まず屋根への対策からご紹介します。
金属製屋根の採用
金属製屋根は一般的に軽量でありながら耐風性が高いため、台風などの強風に対して飛ばされにくいです。特に、スチール製やアルミニウム製の屋根は軽量かつ強固なため、飛ばされにくいです。
屋根の固定
屋根をしっかりと固定することが重要です。特に金属製屋根の場合、専用の固定具やボルトなどを使用して、屋根を建物の構造体にしっかりと固定することで、飛ばされるリスクを軽減できます。
耐風性の高い屋根材の選定
屋根材を選ぶ際には、耐風性の高いものを選ぶことが重要です。金属製や合成樹脂製の屋根材は耐風性が高いため、台風などの強風に対して安定性があります。また、重量が軽くても耐風性が高い屋根材もありますので、適切な選定が必要です。
屋根の形状
屋根の形状も飛ばされにくさに影響します。風の勢いを受けにくい屋根形状を選ぶことで、飛ばされにくくなります。例えば、丸屋根や傾斜の緩やかな屋根などが風を受け流しやすく、飛ばされにくい特徴があります。
定期的な点検とメンテナンス
屋根の定期的な点検とメンテナンスも重要です。風や雨などの自然要因によって屋根材や固定具が劣化する可能性がありますので、定期的に点検し、必要に応じて修理や補強を行うことで、飛ばされにくさを確保できます。
◇浸水の対策
次に浸水被害への対策についてご紹介します。
高所への避難場所の確保
浸水が予想される場合、家具や貴重品を高い場所に移動させることで被害を最小限に抑えることができます。特に2階以上の部屋や屋根裏など、浸水の影響を受けにくい場所に避難場所を確保しましょう。
浸水対策の設備の導入
浸水を防ぐための設備や機器を導入することも有効です。例えば、浸水センサーや防水ポンプなどの機器を設置し、浸水の早期発見や排水を促進することができます。
浸水対策の改修工事
住宅の基礎や床下に防水工事を施すことで、浸水被害を軽減することができます。また、床上浸水のリスクが高い場合は、床や壁の防水処理を行うことで被害を防ぐことができます。
避難計画の策定
浸水被害が発生した際の避難計画を事前に策定し、家族や近隣住民と共有することが重要です。避難場所や連絡手段、非常持ち出し品などを整えておくことで、迅速な避難行動が可能となります。
住宅地の選定
浸水リスクの低い場所に住宅を建てることも重要です。地盤や排水設備、河川の近さなどを考慮し、浸水リスクの少ない地域を選定することで、被害を最小限に抑えることができます。
保険の加入
浸水被害に備えて、適切な保険に加入することも重要です。住宅保険や地震保険など、自然災害による損害をカバーする保険商品を選択し、適切な補償を受けることができます。
福岡県では台風の影響を受けやすく、その結果、住宅に様々な被害が発生しています。強風による屋根の被害や大雨による浸水被害が特に深刻です。台風に強い家を建てるためには、鉄筋コンクリート製の採用や耐風性の高い屋根材の選定が重要です。
鉄筋コンクリートは強固な構造を持ち、耐久性が高く、防水性も優れています。また、耐風性の高い屋根材を選ぶことで、台風や強風による被害を最小限に抑えることができます。さらに、浸水対策も重要であり、高所への避難場所の確保や浸水対策の設備導入が有効です。
定期的な点検とメンテナンスも忘れずに行うことが重要です。被害を最小限に抑えるためには、適切な対策と保険の加入が不可欠です。地域の特性や家族の安全を考慮しながら、台風や自然災害に強い家を建てることが重要です。