福岡の注文住宅で適した断熱性能は?断熱性能基準が地域別で異なる理由
2023/10/25
注文住宅を建てる際、適切な断熱性能を知ることは非常に重要です。断熱性能の基準は地域ごとに異なるため、必ずしも高い断熱性能が常に最適とは限りません。福岡に適した断熱性能を理解し、気候に合った快適な住まいを手に入れましょう。
地域別に断熱性能の基準が異なる理由は?
省エネ基準地域区分
住宅などの省エネ計算を行う際、確認しておきたいのが「省エネルギー基準地域区分」です。省エネルギー基準地域区分とは、日本全国を8つの地域に分けて、それぞれに基準値を設けているものであり、区分により、必要な断熱性能や達成すべき基準値が異なります。
なお、省エネに関する法律はかなりの頻度で基準が見直され、市町村が合併すると、旧自治体にどこにあるのかにより、地域区分が違う場合もあります。そのため、常に新しい基準をチェックすると良いでしょう。
省エネルギー基準が地域ごとに異なる理由
基準が異なる理由は、日本は寒さが厳しく積雪のある北海道や東北地方から一年を通じて温暖な沖縄まで、地域により、気候にばらつきがあるためです。
たとえ、同じ性能の住宅であったとしても、気候条件が違うと、快適に過ごすための冷暖房設備が異なるため、この区分が設けられました。
同じ県内であっても、山間部と沿岸部とでは気候が異なるため、区分が違う場合も少なくありません。
福岡の省エネ基準地域区分
福岡は東峰村が5区分、北九州市や久留米市、大牟田市などの多くの市町村が6区分、福岡市や新宮町などは7区分です。
UA値は低い方が良い?福岡で必要なUA値
画像出典先:フォトAC
近年、環境問題への取り組みから「省エネ住宅」が推奨されるようになり、福岡でも、注文住宅を新築される際に高断熱性能住宅が注目されるようになりました。そこで、高断熱性住宅の基準として用いられるのが「UA値」です。
UA値とは?
UA値とは、「外皮平均熱貫流率」を指し、「住宅の内部から外壁や屋根、床、窓などの建物の表面から外部へ逃げる熱の量の値」のことです。簡単に言うと「熱の逃げやすさ」の値のことを指します。
つまり、UA値が低いほど、断熱性能が高く、値が大きいと断熱性能が低いということになります。
UA値の等級
UA値にはランクがあり、等級は1~7まであります。このうち上位等級である等級6と等級7は2022年10月より設定されたものです。
出典元:国土交通省「住宅性能表示制度における省エネ性能に係る上位等級の創設」
福岡で必要なUA値
UA値も地域により、基準が設けられていて、区分は省エネルギー基準地域区分と同じです。
福岡県のUA値は、等級4であれば「0.87」、等級5であれば「0.56」、等級6であれば「0.46」、等級7であれば「0.26」となっています。
省エネ住宅の基準
最低でも断熱等級4でなければいけません。また「長期優良住宅」や「ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)」などの省エネ住宅の認定を受けるためには、UA値が0.6以下である必要があります。
近年、住宅ローン減税を申請する際、省エネ基準に適合していなければ、住宅ローン減税が受けられなくなっています。そのため、福岡で注文住宅を建てる際に住宅ローンを利用される場合、断熱性能を示すUA値は重要です。
断熱性能の向上も重要!注文住宅は予算と希望を明確にしよう
注文住宅はご自身で理想の住宅となるよう、設備や素材を選択できる点が魅力です。しかし、予算は無限ではないため、全て理想通りに建てるのは難しいでしょう。どの部分をこだわり、どの部分を諦めるのか、しっかりと決める必要があります。
近年では住宅性能にこだわる傾向があり、その中で最も多いのが「耐震・免振・制震性能」です。
地震大国の日本では、地震に対して備えることは当然だと言えます。そして、その次に僅差で多いのが「高断熱性・高気密性」です。断熱性に優れた住宅は快適に生活できるだけではなく光熱費の削減にもつながるため、選択する方が多いようです。
また、住宅ローン控除や国や自治体の補助金の要件に省エネ住宅であることが重視されています。そのため、費用面でも、高性能住宅を選択する方が増えていると考えられます。
予算の優先順位を決めて理想の注文住宅を手に入れよう
限られた予算内で理想の住宅に近づけるためには、優先順位を決める必要があります。
家族で話し合う
家族それぞれに希望があるため、話し合って決めるようにしてください。なお間取りを決める際は、その部屋を最も使用する方の意見を取り入れることにより、失敗してしまうリスクを軽減できます。
「キッチン」「収納」「住宅設備」などのように、各部屋を細かく分けて、それぞれの希望をメモなどに書き留めておくと良いでしょう。
予算の配分を考える
注文住宅を新築される際の全体の予算を決めたら、その次は、土地、建物、諸経費にかける予算配分を考えます。
たとえば、予算が2,600万円であれば、土地に600万円、建物に1,800万円、そして、諸経費に200万円と言うように予算を分けていきます。ちなみに、諸経費は住宅購入価格の5~10%ほどが目安です。
「変えられるもの」と「変えられないもの」を判断する
「変えられるもの」とは設備や間取りのことを指し、「変えられないもの」とは土地や構造のことを指します。
設備や間取りはリフォームなどにより、変更できますが、土地、基礎、構造といった部分は変えることができません。そのため、優先順位を付ける際には、後から変えることのできない部分を重点的に考えましょう。
間取りを決めるポイント
住宅の中でも、間取りの選択は迷ううちの1つです。なお、間取りを考える際、「どのような暮らしをしたいのか」をイメージしてみると良いでしょう。
たとえば、家族間のコミュニケーションを重視したい場合はリビングを広めに取り、子供がリビングで過ごしやすいように勉強するスペースを作っておくというのも1つのアイディアです。
省エネルギー基準地域区分とは、日本全国を8つの地域に分けて、基準値を設けているものであり、区分により、必要な断熱性能や達成すべき基準値が異なります。
省エネルギー基準が地域ごとに異なる理由は、地域ごとの気候に大きなばらつきがあるためです。
なお福岡県の場合、東峰村が5区分、北九州市、久留米市、大牟田市などの多くの市町村が6区分、福岡市、新宮町などが7区分とされています。しかし、省エネに関する法律は高頻度で基準が見直されます。
福岡県で注文住宅の新築をご検討中の方は、ご希望の地域の最新の基準を確認されると良いでしょう。