福岡の家づくりの知識
注文住宅を建てるなら補助金も受けられる高性能住宅に注目
2023/10/30
高性能住宅は、優れた断熱性、気密性、耐震性、耐久性を備え、快適な生活を実現します。自然災害に強く、エネルギーコストを削減でき、健康への配慮も可能です。特にZEH住宅は高い省エネ効果も期待でき、補助金も受けられます。持続可能な住環境への第一歩です。
高性能住宅とはどのようなものか?
画像出典先:フォトAC
高性能住宅とは断熱性・気密性・耐震性・耐久性などの優れた性能を備え、快適な生活を実現する住宅のことを指します。
ただし、具体的な定義や性能基準は統一されておらず、ハウスメーカーや工務店の専門知識と技術によって異なります。
断熱性
断熱性とは、外部からの「熱」を室内に侵入させないための性能です。住宅の断熱性能を向上させるためには、壁、屋根、床に断熱材を取り入れることや、高断熱性の窓を設置するなどの対策があります。
高い断熱性を持つ建物は、夏は涼しく、冬は温かい快適な居住環境を提供してくれます。さらに夏季には、エアコンの効率が向上し電力消費の削減につながるほか、冬季は結露の減少によりカーテンや壁などのカビの発生を抑えることができます。
気密性
高気密な住宅とは室内の空気が外部に漏れにくく、さらに外部の空気が室内に侵入しにくい設計の家です。防湿シートや気密テープなどを使用して建物の隙間を最小限に抑えることで、室内の温度を効果的に管理するのに役立ちます。
また、夏の暑い空気や冬の寒い空気の侵入を防ぐだけでなく、花粉やPM2.5などの有害物質が室内に侵入するのを防ぐ利点もあり、快適な居住環境には欠かせない性能です。
耐震性
耐震性は、高性能住宅における重要な要素です。地震への耐性は、以下3つの耐震等級で評価されます。
耐震等級1:建築基準法の基準を満たす耐震性能
耐震等級2:耐震等級1の1.25倍の耐震性能
耐震等級3:耐震等級1の1.5倍の耐震性能
国が指定する「長期優良住宅」の認定を受けるには、最低でも耐震等級2の要件を満たす必要があります。
耐久性
高性能住宅において、耐久性は住宅の寿命を延ばすために非常に重要です。日本で主流の木造住宅は鉄筋コンクリート造と比べると耐久性が低く、30年前後で建て替える必要があると言われています。ただし、建材の選択や工法によっては、木造住宅もあっても30年以上の長期間にわたり快適に住むことが可能です。
高性能住宅のメリットを詳しく解説
高性能住宅を建てる主なメリットは、以下の3つです。
災害に強い
高性能住宅を建てるメリットとして、地震や台風、豪富などの災害に強いことがあります。高性能住宅として認定される建物は、最低でも耐震等級2の基準を満たす必要があり、これは、小学校や公民館などの災害時に避難所として使用される建物と同等の耐震性を持つことを意味します。
日本では自然災害が頻発するため、住宅の災害耐性向上が非常に重要です。このような高性能住宅は、災害時の被害を最小限に抑える役割を果たしています。
ヒートショックのリスクを軽減できる
高気密な家を建てるメリットの一つは、ヒートショックのリスクを減少させることです。ヒートショックとは、住環境で急激な気温変化が体調に影響を及ぼす現象です。
例えば、暖かい部屋から寒い場所に急に移動することで、急激な血管収縮が引き起こり、心臓への負担が増え、心筋梗塞や脳卒中などの健康リスクが高まります。
高気密・高断熱な高性能住宅では、1年を通して外部の気温に左右されず、いつでも快適で心地よい温度を維持できます。室内の温度差を最小限に抑えることで、ヒートショックなどの健康被害を減少させる効果も期待できるでしょう。
光熱費節約につながる
高性能住宅には、光熱費削減につながるメリットもあります。外部への空気漏れを最小限に抑えるため、通常の住宅では冷暖房が効きにくい吹き抜けリビングやリビング階段などの開放的な間取りでも、快適な室温を維持できます。初期費用は多少かかりますが、総合的に見ると経済的です。
ZEH住宅なら補助金を受けることも可能
高性能住宅であるZEH住宅なら、高い省エネ効果が期待できるだけでなく、補助金の利用も可能です。
ZEH住宅とは、主に住宅で使用される一次エネルギー(電気に変換される前のエネルギー源である石炭や天然ガスなど)の年間消費量がゼロに近い住宅を指します。
ただし、一次エネルギーを完全にゼロにしているわけではありません。高い断熱性能と省エネルギー性能によって消費量を最小限に抑えつつ、再生可能エネルギーを生産します。
そして、それらを組み合わせて実質的に一次エネルギー消費量ゼロ以下を実現するものです。
例えば、優れた断熱性によりエアコンの使用頻度を削減しつつ、太陽光発電で電力を自給自足でまかなうなどがあります。
また、ZEH住宅はZEH、ZEH+、次世代ZEH+、次世代HEMS、LCCM住宅の5つのカテゴリーに分けられ、それぞれで異なる補助制度や補助事業名が適用されます。
具体的には、こどもエコすまい支援事業、地域型住宅グリーン化事業、戸建住宅ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH) 化等支援事業などの補助金制度が設けられています。なお、ZEH住宅は住宅ローン控除や各自治体の補助金などの制度目的が異なる制度と併用が可能です。
高性能住宅は、優れた断熱性、気密性、耐震性、耐久性を備えた住宅で、快適な生活を実現します。これらの特性は、快適さや健康への影響、エネルギーコストの削減など、多くのメリットを提供します。高性能住宅は自然災害に強く、急激な気温変化からくるヒートショックなどの健康リスクを軽減します。
高性能住宅であるZEH住宅なら、高い省エネ効果が期待でき、光熱費を節約できます。さらに、ZEH住宅として認定されれば、補助金を受けることも可能です。
高性能住宅は、持続可能な住環境を実現するための一歩であり、快適でエコロジカルな住宅を実現するための選択肢として注目されています。