高気密注文住宅は窓とサッシ選びが重要!高気密住宅の注意点
2023/12/13
高気密な注文住宅を建てる際、窓とサッシの選択が非常に重要です。建物の気密性に大きな影響を与えるこれらの要素を適切に選ぶことは、快適な室内環境とエネルギー効率の向上に直結します。また、高気密住宅を構築する際にはいくつかの注意点にも留意する必要があります。
注文住宅の気密性を上げるには?
住宅の性能や快適さを評価する指標として、気密性があります。福岡県で注文住宅を建築する際にも、気密性をあげることで、冷暖房効率が良くなるなどさまざまなメリットがあります。
注文住宅の気密性を上げるポイント
注文住宅の気密性を高めるにはいくつかのポイントがあります。
玄関ドアを片開きにする
玄関ドアが両開きになってしまうと、2枚の扉が開閉する際に隙間ができてしまいます。
隙間ができることで、住宅の気密性が低下します。片開きドアであれば、ドアを開閉する際に隙間が生まれないため、両開きドアを採用した場合に比べると気密性が高まります。
勝手口通風ドアを使用しない
勝手口通風ドアとは、勝手口用のドアに通風障子がついているドアのことで、通風障子を上下にスライドすることで扉を閉めたまま通風を行えます。通気性をよくするための設備ですが、使用すると気密性が低くなります。気密性を高めるためには、勝手口通風ドアを採用すべきではありません。
窓の種類
どのような形の窓を採用するかも気密性を高めるうえで重要な要素です。気密性の観点から、引き違い窓や上げ下げ窓は採用すべきではありません。引き違い窓や上げ下げ窓は、開閉の際に、2枚のサッシの間に隙間ができます。
そのため、引き違い窓や上げ下げ窓が多ければ多いほど、住宅の気密性は低くなります。
引き違い窓や上げ下げ窓の代わりにFIX窓と呼ばれる開閉できない窓やすべり出し窓を採用することで、住宅の気密性が高くなります。
気密性を上げるには窓とサッシ選びが重要
住宅の気密性を高めるためには、窓のサッシや窓ガラスになにを選択するかは重要です。
高気密高断熱の注文住宅を建築したとしても、気密性を低下させる窓やガラスを採用すると外の寒さや暑さを室内に伝えてしまう危険性があります。
窓ガラスやサッシが熱を伝えてしまうと、室温が外気温に左右され、室温を保つために高額な燃料費をかける必要が発生します。また、窓ガラスやサッシが外気の影響を受けることで、室内との温度差が発生します。室内と窓ガラスの温度差が発生した結果、窓ガラスやサッシの表面に結露が発生し、カビが生えやすくなります。カビが生えることは、住宅を劣化させる原因となるため注意が必要です。
サッシの種類とそれぞれのメリット・デメリット
画像出典:フォトAC
窓やドアに使用されるサッシには、さまざまな種類があります。それぞれのサッシには独自のメリットとデメリットがあり、選択肢を検討する際に重要な要因です。以下では、異なるサッシの種類とそれぞれの特徴について説明します。
注文住宅で使用されるサッシ
注文住宅に使用されるサッシには、樹脂サッシとアルミサッシの2種類があります。
アルミサッシは日本の住宅で最も普及しているサッシです。アルミサッシの特徴としては、耐久性、軽さ、価格の安さがあげられます。
アルミサッシに使われているアルミは、軽くて丈夫な金属です。アルミは耐久性に優れており、安価で仕入れることができたため、日本の住宅に広く普及しました。一方で樹脂サッシは海外や北海道で普及しています。
樹脂サッシはサッシ全体が塩化ビニル樹脂で構成されています。住宅に省エネ性能が求められるようになってから、注目されているサッシです。
樹脂サッシのメリット・デメリット
樹脂サッシを採用する最大のメリットは断熱性が高いことです。樹脂サッシはアルミサッシと比較して約2.6倍の断熱性能があります。断熱性能が高いので、室内の温度を安定させるだけでなく、結露の発生を防げます。また、樹脂サッシはサッシの隙間から漏れる空気が少ないため、気密性が高く防音効果も期待できます。
一方で、樹脂サッシは紫外線に弱いためアルミサッシに比べて劣化が早いことはデメリットです。樹脂サッシは紫外線に弱いため、紫外線に当たり続けると色の変化や表面の効果、さらに形が変わることがあります。樹脂サッシは価格が高いこともデメリットです。
アルミサッシと比較すると、樹脂サッシは高い価格で市場に流通しています。
アルミサッシのメリット・デメリット
アルミサッシを採用するメリットは、価格の安さです。また、軽くて丈夫なため、開け閉めが容易にできます。アルミサッシは強度が強いため、サッシを細くできるためデザイン性を重視した窓に使用できます。
アルミサッシの最大のデメリットは断熱性の低さです。特に冬は室内との温度差を生み出し、結露の要因となります。
気密性の高い注文住宅の注意点
気密性の高い注文住宅を建てる際には、いくつかの重要な注意点を押さえることが必要です。建物の気密性は、快適な室内環境を確保し、エネルギー効率を向上させるために不可欠です。ここでは、気密性の高い注文住宅を実現するためのポイントについて詳しく説明します。
気密性の高い注文住宅の注意点
気密性の高い注文住宅には注意点があります。それは、気密性は新築してから劣化していくということです。窓やドアの開閉、エアコン設置などによるリフォームで住宅の隙間が広がっていく可能性があります。
隙間が広がった結果、気密性は低くなっていきます。気密性が低下することを踏まえると新築時に、高いレベルの気密性を確保しておくことが重要です。また、建設コストが高くなることにも注意が必要です。気密性を高めるためには、断熱材や窓ガラスなどの資材や、気密を高めるために隙間をテープでふさぐことが必要になり、その分費用が掛かります。
高気密住宅は換気システムが重要
高気密住宅においては、換気システムによって住宅の換気が効率よく行われることが重要です。換気するためのシステムを採用する際には、機械を用いた換気システムを採用することで、空気を計画的に入れ替えられます。
近年の住宅においては、24時間換気システムと呼ばれる機械を用いて24時間換気を行うシステムの設置が義務付けられています。24時間換気を行うことで、建材や部材に含まれる有害物質が原因で引き起こされるシックハウス症候群の対策ができます。
高気密住宅においては、十分な換気が行われないと、有害物質が室内に滞留することとなり、シックハウス症候群やアレルギーを発症しやすくなるため、特に注意が必要です。
高気密住宅においては、換気システムに加えて熱交換システムを採用することで、空気を入れ替える際に、外気温の影響を受けなくなります。
注文住宅の気密性を上げるポイントについて解説しました。まず、玄関ドアは片開きにし、隙間を減らすことで気密性を高めます。勝手口通風ドアの使用を避け、通気性を犠牲にせず気密性を維持します。窓の選択も重要で、引き違い窓や上げ下げ窓は気密性を損なうため、FIX窓やすべり出し窓を採用します。
窓ガラスやサッシの選定も注意が必要で、高い断熱性能と気密性を持つものを選びます。新築時に気密性を確保し、劣化を考慮に入れる必要があり、追加のコストもかかることに留意します。換気システムの適切な導入が重要で、高気密住宅では24時間換気システムや熱交換システムを活用し、有害物質の滞留を防ぎます。気密性の高い注文住宅は快適でエネルギー効率が高くなりますが、慎重な計画が必要です。