福岡の家づくりの知識
福岡で家を建てるなら押さえておきたい!省エネ住宅とは?
2023/05/01
住宅は何十年にもわたって人が住み続けることを想定して建築する必要があります。この点で、住宅の設計を決める際には住みやすさだけでなく、環境への影響や長期的なランニングコストについてもよく考える必要があります。これらの点において、近年特に注目を集めているのが「省エネ住宅」であり、福岡エリアにおいてもその新築事例は少なくありません。
省エネ住宅とは?
省エネ住宅とは、家庭におけるエネルギー消費量を抑えるための設備や建材を使用した住宅のことです。この省エネ住宅において特に重視される性能は「断熱性能」「気密性能」「日射遮蔽性能」の3点です。
断熱性能は、住宅の熱を逃がさず、外部からの熱の侵入を抑える性能であり、気密性能は、住宅内外の空気の流れを制御する性能であり、外気を遮断することで暖房や冷房の効率を高めることができます。また、日射遮蔽性能は、太陽光やその熱を遮る性能であり、特に夏季における室内の温度上昇を抑制することができます。
省エネ住宅の性能は、「外皮基準」や「一次エネルギー消費量基準」などによって評価されます。外皮基準とは、建物の外皮部分(壁、屋根、窓、ドアなど)の熱負荷に関する基準であり、一次エネルギー消費量基準とは、建物の総エネルギー消費量に関する基準です。
これらの基準に基づいて一定の評価を得た省エネ住宅は、補助金の支給対象となることがあります。これにより、建築費用や長期的な光熱費による負担を低減することができます。また、省エネ住宅は環境にも配慮した住宅として注目されており、資産価値の向上や健康増進にもつながるとされています。
近年では、省エネ住宅の需要が高まっており、多くの建築業者や住宅メーカーが積極的にその建築を行っています。将来的には、省エネ住宅が一般的な住宅となることで、エネルギー消費量の削減につながり、地球環境を保護するための一助となることが期待されます。
省エネ住宅の種類
省エネ住宅はその性能にもとづいて以下5種類に分類できます。
ZEH住宅
ZEHとはNet Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略で、ZEH住宅とは、年間の消費エネルギー量と発電量がほぼゼロになる住宅のことです。太陽光発電などの再生可能エネルギーを活用し、余剰電力を電力会社に売却することで、年間のエネルギー収支をゼロにすることができます。このタイプの省エネ住宅では、発電設備だけでなく、室内におけるエネルギー効率を高めるための建材などの使用も欠かせません。
LCCM住宅
LCCMとはLife Cycle Carbon Minus(ライフ・サイクル・カーボン・マイナス)の略で、LCCM住宅とは、建設から解体・処分に至るまでのCO2排出量をマイナスにする住宅のことです。具体的には、建築材料や施工方法、エネルギーの使用など、あらゆる面からCO2排出量を最小限に抑え、その上でさらにCO2を吸収する手法を取り入れることを理想としています。しかしながら、現状ではその排出量をマイナスにすることは難しく、長期的な排出量をゼロに近づけることを大義としています。
長期優良住宅
長期優良住宅とは、耐久性や省エネ性能、健康性などを重視して、長期的な視点で住宅の品質を考えた住宅のことです。国による認定制度が設けられており、長期間にわたって住み続けられる住宅を建てることの重要性が広く認識されるようになったことが大きな背景となっています。
認定低炭素住宅
認定低炭素住宅とは、建材や設備機器の省エネ性能やCO2排出量などが一定の基準を満たした住宅のことです。この認定は、2012年に制定された「都市の低炭素化の促進に関する法律」に基づく基準をクリアした住宅に対して行われます。
スマートハウス
スマートハウスとは、太陽光発電システムや蓄電池を利用した発電・蓄電と、IT技術を活用した電力消費の効率化が可能な住宅のことです。このタイプの住宅では、電力の自給自足が基本となり、発電・蓄電システムだけでなく、日常生活で使用する家電に関しても高性能なものが必要不可欠となります。
省エネ住宅の新築で活用できる補助金は?
省エネ住宅の新築時に利用できる補助金制度には、以下のようなものがあります。
ネット・ゼロ・エネルギーハウス(ZEH)支援事業
一般社団法人環境共創イニシアチブが運営するこの補助金制度は、上述したZEHの新築時に利用可能です。補助金の給付を受けるには、発電量やエネルギー消費量などに関する一定の基準を満たす必要があります。
地域型住宅グリーン化事業
この制度では、省エネ性能に優れた長期優良住宅やZEH住宅などに対して補助金が交付されます。国が運営するこの事業においても、補助金の給付を受けるには一定の基準を満たす必要があります。
こどもエコすまい支援事業
子育て・若者夫婦世帯を対象とするこの補助金制度では、ZEH住宅や省エネ性能の優れた住宅を新築・購入する場合に国からの補助金を受け取れます。子育て・若者夫婦世帯を対象とする補助金制度には、他にも「こどもみらい住宅支援事業」などがあり、若い世代が省エネ住宅を新築しやすい環境の整備も進められています。
各自治体の住宅関連補助金制度
現在では、多くの自治体が住宅関連の補助金制度を設け、住宅を新築する人に支給しています。これらの制度の中には、省エネ住宅を対象とするものも多くあります。新築時には、居住する自治体独自の補助金制度があるかどうか確認することをおすすめします。
近年、省エネ住宅が注目を集めており、一時的なトレンドではなく、住みやすさや環境への影響、ランニングコストの削減などの観点から、今以上に普及すべき住宅タイプであると言えます。福岡エリアでも省エネ住宅が増えており、実績豊富な工務店やハウスメーカーを利用することがおすすめです。