高性能住宅は価格が高い?福岡で価格を抑えて高性能注文住宅を建てるポイント
2023/10/25
高性能住宅は、一般住宅と比べて建築費が高くなりますが、ランニングコストの面からみればお得になる可能性もあります。補助金制度をうまく利用する、また間取りを工夫するなどして、性能は変わらず価格を抑えることも可能です。
今回は、高性能住宅の価格やランニングコストについて、また性能を下げずに価格を抑えるポイントを解説します。
高性能住宅は価格が高い?高性能住宅を建てる場合の建築費用
近年需要が高まりつつある注文住宅の中でも、高性能住宅が注目されています。
高性能住宅とは、耐震性・耐久性・断熱性・気密性に優れた住宅のことです。高性能住宅は、建てる際の価格が高い点がネックで、購入を迷っている人も多い傾向にあります。
ここでは、高性能住宅の価格が高くなってしまう理由について解説します。
建材が高い
価格が高くなってしまう理由は、建材の仕入れコストが高価になってしまうためです。高性能住宅に使用される建材は、断熱性や耐震性などが優れた高性能なもののため、価格が高いものも多く、仕入れに高額なコストがかかってしまいます。
国内の体制
上述した高性能住宅に必要となる建材は、国内で大量生産できる体制が未だ整っていないのが現状です。そういった建材の普及が国内において進んでいないことも、高性能住宅が高くなってしまう理由の一つです。
高性能住宅はランニングコストを考慮するとお得になる?
画像出典先:フォトAC
高性能住宅は、一般住宅と比べると住宅ローンや初期費用など建てる際の価格が高くなります。しかし、将来的なランニングコストを考慮すると、一般住宅よりもコストを軽減できる可能性があります。
ここでは、削減できる可能性のあるランニングコストについて解説します。
電気代
高性能住宅は断熱性や気密性に優れており、室内の温度を保てるため、電気代を抑えることが可能です。
メンテナンス費
高性能住宅は将来的なメンテナンス面でもコストを抑えられます。
一般住宅でありがちな劣化原因で多いのが、湿気によるものです。水分や結露が起こり柱や梁、床などが腐食してしまったり、断熱材が劣化してしまったりと、湿気一つでさまざまな劣化につながっていきます。
その点高性能住宅では、もとから気密性を高めることで家中の隙間が小さくなり、計画的な換気が可能です。断熱性の高いドア、サッシや断熱材も使用するため、結露しにくく柱や床の腐食のリスクを軽減できます。
注文住宅の性能は下げずに価格を下げるには?
注文住宅はどうしても価格が高くなりがちです。性能が高ければ高いほど価格も高くなりますが、性能は落としたくありません。
ここでは、性能を落とさずに価格を抑える方法を解説します。
補助金制度を利用する
2023年の住宅政策では、省エネ強化と子育て支援をテーマに掲げており、子育て世代への支援や省エネキャンペーンを実施しているのが特徴です。
なお、支援事業には全て予算が設けられており、予算上限に達してしまうと年途中に打ち切られる可能性があるため、注意が必要です。
これらに申請できるのは登録事業者のみのため自分が利用する不動産会社などが登録業者であるか、きちんと確認しておく必要があります。
また、物件の用途・面積・対象者の年齢など適用条件が決まっているため、専門家に相談しながら手続きするのがおすすめです。
こどもエコすまい支援事業
2022年に設立したこどもみらい住宅支援事業にかわり、2023年新たにこどもエコすまい支援事業が設立されました。この事業は省エネ性能の高い住宅に対し、一律100万円の補助金を交付するというものです。
子育て世帯は最大60万円、子育て世帯以外は最大45万円の補助金を受け取れます。
出典元:こどもエコすまい支援事業
先進的窓リノベ事業
窓のリフォームを対象とした先進的窓リノベ事業では、高断熱性のガラスへの交換や内窓の設置などのリフォームに一戸あたり、最大200万円の補助金が受けられます。
出典元:先進的窓リノベ事業
給湯省エネ事業
エネルギー消費の少ない給湯器の設置すると補助金を受け取ることが可能です。ただし、給湯器によって補助金の金額が異なります。
エネファームは15万円、ハイブリット給湯機とエコキュートは5万円の補助金の受け取りが可能です。
出典元:給湯省エネ事業
ZEH化等支援事業
ZEHとはネット・ゼロ・エネルギーハウスの略で、高効率設備と創エネ設備を組み合わせたエネルギーコストゼロの住宅のことをいいます。
この事業は、経済産業省が主となり、マンション・一戸建てのZEH化を推進するものです。ZEH水準の住宅には55万円、より高性能なZEH+には100万円の補助金が交付されます。
出典元:経済産業省 資源エネルギー庁
フラット35
住宅金融支援機構が運営する住宅ローンです。
全ての期間の金利が固定の住宅ローンですが、フラット35では省エネ性能などが備えられている高性能住宅に対して、金利の優遇を行っています。
出典元:フラット35
建物の形状や間取りを工夫する
注文住宅の価格を抑えるなら、建物の形状や間取りを工夫するだけで、コストを軽減できます。
1階・2階の面積を同じにする
1階・2階の面積を同じにして総2階建てにすると、壁・建材・工程を減らすことが可能です。同じ面積であれば、平屋よりも2階建ての方がコストを抑えられる可能性もあります。
床面積を減らす
面積を減らすことで施工費用を抑えられるだけでなく、光熱費の削減にもつながります。
形状をシンプルにする
間取りや屋根のデザインを決める際に、形状をシンプルにすることでもコストを抑えられます。
間取りは凸凹のように角を多くしてしまうと、使用する部材が増えるためコストが増加します。間取りをとる際は、なるべく凸凹のない正方形にすると、コストを抑えられます。
また、屋根は面積が広い部分のため、人件費や資材費・施工費がかかります。切妻や片流れタイプだとコストを抑えることも可能です。
空間を細かく区切らない
ドアや壁などで空間を細かく区切ってしまうと、材料費や施工費が上がってしまうため、なるべく部屋数を減らすことも視野に入れて検討してみるのもよいかもしれません。
箱型階段にする
シンプルな箱型だとコストを抑えることが可能です。箱型階段は階段下に収納スペースをつくることも可能なため、空間を有効活用できます。
水回りをまとめて設置する
水回りをまとめて設置すると配管を1カ所にまとめられるため、施工費を抑えることが可能です。
バラバラに配置してしまうと作業・建材といった配管工事費がかかってしまうため、可能な限りまとめましょう。
不要な窓はつけない・FIX窓を採用
窓の数を絞ることもコスト削減につながります。特に開閉式の窓は設置にコストがかかるため、FIX窓を設置するなどの工夫もコスト削減につながります。
また、風呂場に窓を設置すると断熱性が下がり、カビが発生しやすくなるなどの問題もあります。
近年は窓がなくても換気しやすいシステムもあるため、こだわりがないのであれば風呂場に窓を設置しないのという選択も視野に入れましょう。
窓のサッシをアルミ×樹脂の複合タイプにする
国内では安価でかつ強度が高いアルミが主流で使用されていましたが、結露が発生しやすいこともあり、近年では樹脂製のものが使用される場合も多いです。
しかし、樹脂製のサッシは性能が優れている分価格が高いため、コストがかかってしまいます。
安価なアルミと結露しにくい樹脂の複合タイプのサッシであれば、コストを抑えることが可能です。ただし、ガラスの枚数によって価格が変動するため、用途や地域の気候など考慮して選ぶ必要があります。
ベランダをなくす
ベランダをなくすと、その分のコストを抑えることが可能です。ベランダはメンテナンスが必要なうえ、雨漏りの原因にもなり得ます。必要がないのであれば、設置しないという選択もよいでしょう。
高性能住宅の需要が高まっていますが、価格が高いため迷っている人も多い傾向にあります。しかし、高性能住宅は初期費用が高い一方で、ランニングコストを考慮するとお得になる可能性があります。
高性能住宅は断熱性や気密性に優れ、電気代を抑えられる上に、メンテナンス面でもコストを抑えられます。
性能を落とさず価格を下げる方法は、補助金制度を利用することと建物の形状や間取りを工夫することです。補助金制度では省エネ性能に応じた補助金を受け取れます。
また、建物の形状や間取りをシンプルにし、無駄を減らすことでコストの軽減が可能です。
これらの方法を組み合わせることで高性能住宅をお得な価格で実現できるでしょう。この他にも福岡県おすすめ住宅会社3選も参考になります。